自宅用の薪ストーブの話。
うちの冬の暖房はほぼ薪ストーブのみ。
そんなに使っていてどうして薪ストーブの後悔について話をするの?ということなんだけれども。
ここ最近、特にコロナ禍以降世間の人々の暮らしの選び方が多岐に渡ってきていることから、薪ストーブについても注目されるようになって、新築やリノベーションに合わせて導入する人も増えてる。
それ自体は特に良いとも悪いとも思わないんだけど、やっぱり現在の日本社会において薪ストーブはスタンダードな暖房器具では無いので、導入にあたってはできる限り中立の立場で様々な切り口の情報に数多く触れるべきだと思ってる。
後悔しないために。
薪ストーブの導入で後悔する人やトラブルが増えてしまうと、薪ストーブ自体が暖房器具としてどうなのという風潮になってしまうのは嫌だからね。
うちも数年やってきて導入時と今とで考えてること違うし、検討されている方のためにお伝えできることあるよなと思ってこの記事を作ろうと思った次第です。
今回前置き長いな。
大丈夫!楽しんでやっていこう〜!
筆者と薪ストーブについて
うちは約5年前の自宅新築時に薪ストーブを導入して、冬の暖房はほぼ薪ストーブのみで運用をしています。
九州北部ですが、それでも関東の首都圏よりは冷え込むことが多い地域です。
別荘やセカンドハウスではなく、家族4人が暮らす自宅です。
110平米程度のログハウスです。
使用している機種はドブレの700SLという少し大き目のものです。
煙突掃除やメンテナンスも自分でやってます。
薪集め、薪割り、薪棚作りなどすべての薪仕事を自分でやっています。
という感じで、暮らしの中にしっかりと薪ストーブが組み込まれている状況なんですが、薪仕事や薪ストーブが趣味かと言われるとそうではありません。
薪ストーブに対する感情はその他の暖房器具に対するそれと同じです。
もちろん好きか嫌いかで言うと好きなんですけど。
薪ストーブの火を眺めながら飲むお酒最高!みたいな気持ちになることはありません。
料理に使えるので便利だなという気持ちはあったりします。
暮らしの中で一つの道具として薪ストーブを使っているという状況ですね。うちは。
薪ストーブの特徴
そもそも薪ストーブとはどういう暖房器具なのか。
しっかりと言語化して理解しておこう。
薪ストーブは薪を燃やして暖を取る暖房器具
薪ストーブとは薪にした自然木を燃焼させて熱を得る暖房器具です。
間違ってはいけないのが、薪以外のものを燃やしたり、薪として使えない木を燃やしたりすることはいけません。
木以外のものを燃やすとなぜいけないのか
木以外にも燃えるものはたくさんあります。
紙、プラスチック、ビニール、ゴム、布、などなど。
けどこれらを薪ストーブで燃やすことはいけません。
なぜか。
法令的な問題もありますがここでは一旦置いておいて、単純に危ないからです。
薪ストーブは乾いた天然木を燃やして暖を取るためのものなので、それ以外のものを燃やすようにできていないません。
薪以外のものを燃やすことで起きる弊害としては、
- 煙突の詰まり
- 煙道火災
- 薪ストーブの故障、破損
- 異臭の発生
- 煙突からの火の粉飛散
などが挙げられます。
ビニールやゴムを燃やす人はいないと思いますが、一度聞いたことがあるのは本や雑誌などを燃やしていたケース。
これは薪ストーブを施工してくれた方から聞いたお話なのですが、そのご家庭では日常的に本や雑誌などの紙類を燃やすしていたとのこと。
ある日燃え方がおかしいとのことで、施工会社へ連絡があり確認をしたところ煙突が煤と油のようなもので詰まり、煙道火災一歩手前だったとのことでした。
本に含まれる油分や科学素材が煙突内部に付着したんだと思います。
こうなってしまうと煙突も通常の掃除では間に合わないと思いますから、場合によっては煙突交換、100万円コースということもあるかと思います。
お金の問題もありますけど、やっぱり紙を大量に燃やすのは危ないです。
煙突から火がついたままの煤が飛び散る可能性も出てくるので。
薪として使えない木を燃やすのはなぜいけないのか
これも上の話と同じなのですが。
薪として使えない木というのは、
- 合板
- 防蟻、防腐処理済みの木材
- 夾竹桃などの一部の樹種
です。
これらを燃やしすことで起きる最も大きな弊害が異臭です。
異臭だけでは無く、有毒なガスを発生させる可能性があります。
これらの木は焚き付け程度でも薪ストーブで使うことはやめましょう。
煙突から排出される煙による周囲への影響はもちろんですが、ストーブの扉の開け締めでも煙が室内へも入ってくることがあります。
薪ストーブのメリット
薪ストーブを導入することでのメリットはいくつかあります。
それぞれの人や状況によって感じ方は違うと思いますから、ここでは私が感じたメリットについて書いていきますね。
部屋の空気がきれいなまま
エアコンや石油ストーブ、石油ファンヒーターなどの暖房器具は熱交換や燃焼などで温めた排熱を利用するのに対し、薪ストーブは燃焼した空気自体は煙突から排出しています。
薪ストーブはストーブ内の燃焼によりストーブ自体が温められ、ストーブに触れた周囲の空気の温度を上げることで暖房として機能します。
ですので薪ストーブで温められた室内は冬の室内にありがちなこもったような暖気ではなく、気候が穏やかな時期の暖かい日中、といった暖かさです。
薪ストーブの燃焼には大量の空気を必要としますから、燃焼中は外部から空気が入ってきます。
後述しますがログハウスなどの気密性が低い住宅とは相性が良く、常に外部から空気が取り込まれ新鮮な空気が室内を循環します。
新鮮な空気のままで暖かいというのは贅沢だなと思います。
暖かい。
暖房の話なので当然なのでは?って感じではあるんですけれども。
薪ストーブは暖かいです。エアコンや他の暖房器具に比べて。
これはもう間違いなく言えることです。
ただ、焚き方にによるところが大きくて、立ち上げから空気をしっかりと取り込み大量の薪を強く燃焼させた後に空気を絞り高温を維持する、といった焚き方が求められます。
少量の薪を焚き火程度に燃やしても室内は一切暖まりません。
薪ストーブが暖かいのは様々理由があるのですが、本体が低い位置に有り、温められた空気で上昇気流が発生し空気が室内を対流することも理由の一つに挙げられると思います。
温められた空気は上昇し、冷えながら降りてきます。
そしてストーブ近辺で再度温められ上昇する。
この繰り返しが暖かさの理由の一つだと感じます。
あと、遠赤外線が云々というお話もあるのですが(本来そっちがメインに語られるべきですが)私はそっち方面に詳しい訳では無いので割愛します。
ただ、ストーブ前にいるとひなたぼっこをしているときのように眠くなるので、やっぱり何か線(遠赤外線?)がでているんだろうなぁと眠い頭で考えたりします。
家族全員の暖が全て自己で完結する
これはかなり重要な要素ですし、私は薪ストーブの一番のメリットとしてこれを挙げたいです。
電気、ガス、石油を用いる暖房器具ですと、もしそれらが調達できなくなった場合、もしくは調達が困難になった場合、寒いです。寒くなります。
現代は衣服の機能性も発達していますから、凍えることは無いと思いますが暖房器具がなければ寒いです。
電気ガス石油が調達できなくなるケースとしては災害が挙げられます。
電気の場合は停電もあるでしょう。
調達が困難になるケースとしては、価格の高騰、利用制限などが挙げられます。
使えるんだけど使用頻度を下げたり、出力を下げて利用するといった使い方になることもあるでしょう。
薪ストーブはストーブ自体をメンテナンスできて、薪を自身で調達できればとりあえず家族全員分程度が寒くなることはありません。
当たり前のことですがこの家族の暖を自己で完全にコントローラブルな状態にしておけるということは重要なことです。
言い方難しいですけど。
場合によってはコストを抑えることができる
薪の調達をどのように行うかによりますが、うちは現在ほぼ100%無料で原木を手に入れることができているので、かかるコストとして
- 薪仕事の道具のメンテナンス代
- チェンソーの燃料、オイル代
- 原木を頂く際のお礼
- 薪仕事に必要な道具の購入
などが挙げられます。
年間でいくらとは計算をしたことはありませんが、エアコンや石油ストーブなどで110m2の吹き抜けのある暖房効率の悪い家を1軒温めることを考えると間違いなくコストは抑えられています。
が、薪の調達にコストが掛かってくると話は変わってきます。
現在薪や原木の価格が高騰しておりますので、薪の調達にコストがかかるようになると、薪ストーブ以外の暖房器具に比べコスト高になる可能性も高いです。
薪ストーブのデメリット
薪ストーブのデメリットね。多すぎるので全部挙げられるかな。
とりあえず行ってみよう。
本体・施工価格が高い
4人家族が暮らそうとする家に薪ストーブを入れようとすると100万円からと言われています。
ストーブに30〜40万、煙突とその施工に60万以上といった感じです。
もちろん安いストーブのもありますし安い煙突もありますが、エネルギー効率が悪く薪を大量に消費したり煙突が詰まりやすくなり火災の危険が増すなどオススメできません。
また、新築時導入か既存住宅への導入かでも費用が変わります。
煙突が壁出しか屋根出しかでも変わってきます。
が、往々のケースではエアコン設置や石油ストーブ導入に比べてコストがかかることは間違いありません。
後戻りがしにくい
薪ストーブは後戻りがしにくい暖房器具です。
使わなくなったら使われなくなったままそこに鎮座し続けます。
エアコンであれば天井近くにあるので目立ちませんし、石油ストーブであれば片付ければ良いのですが薪ストーブはそうはいきません。
使わなくなってもそこに鎮座し続けます。煙突も含め。
使わない時期ただの飾りになる
うちのストーブシーズンは11月から4月です。
少しでも冷えたら焚きます。暖房目的でエアコンを使うことはありませんので。
ですので近い地域にお住まいの薪ストーブユーザーのお宅よりも使用期間は長めだと思います。
それでも半年間は何も使われません。ただの飾りになります。
家の中で結構な存在感のアイテムがただの飾りのままかなり目立つ場所に半年間居続けます。
スペースを取る
薪ストーブはエアコンや石油ストーブに比べてスペースを取ります。
ストーブ本体もですが、本体周りの炉台、煙突なども。
ドアの開け締めがありますのでそのスペースも必要です。
灰が落ちたり火の粉が飛んだりしますから、ドアの前も広めに空けておく必要があります。
薪ストーブはスペースを取ります。
おおよそ1.5〜2帖程度は使うかなと思います。もっとかも。
動かすことができない
薪ストーブは動かすことができません。
煙突が固定されているからです。
ですので石油ストーブのように移動させて、用途の空間だけ暖めるということができません。
暖房器具が薪ストーブだけの場合、一人で家にいて部屋で仕事をするというシーンでも薪ストーブを焚くことになります。
が、当たり前ですがストーブから部屋は遠いので暖房効率は下がります。
ストーブ周りが汚れる
薪ストーブはストーブ周りがとても汚れます。
汚れる原因はいくつかあります。
ホコリ
薪ストーブは燃焼時に部屋の空気を吸い込みます。
ですので薪ストーブ周辺には部屋のホコリが吸い寄せられてきます。
その結果薪ストーブ近辺は他の場所よりかなりホコリが溜まりやすくなります。
灰
まあこれは当たり前なんですが。
ストーブのドアを開け締めするたびに灰が落ちます。
うちのドブレやヨツールなどのストーブはドアを開けても灰が落ちないような受け皿があるデザインなのですが、それでも落ちます。
ストーブの周りは灰が落ちやすく、散らかります。
木くず
これはどういう薪を使うかにもよりますが。
購入した比較的きれいな薪を使う場合は状況は変わるのかもしれませんが、うちみたいに自前で原木を調達して、割って、乾かして使ってる状況であればまず間違いなく木くずが出ます。
ストーブ周りに薪を持ってくるとき、ストーブへ薪を追加するとき、木くずが落ちて汚れます。
メンテナンスを自身ではできない場合がある
これは薪ストーブに限ったことではありませんが。
薪ストーブは火災につながるおそれがあるため、定期的に適切なメンテナンスが求められます。
本体のメンテナンスで苦労することはありませんが、問題は煙突です。
煙突は基本的に毎年掃除されるべきだと私は思っています。
どんなに乾いた薪を使っていても、焚き方が上手でも煙突の状況確認の意味でも毎年掃除することが理想です。
メンテナンスを怠ると、煙突が詰まり煤が燃えて煙道火災になる恐れがあるからです
この煙突掃除が煙突の取り付け状況によっては個人で掃除することが難しく、毎年業者さんを呼ばなければならなくなることもあります。
そうすると当然ですがコストが発生します。
エアコンなどもメンテナンスは必要ですが、メンテナンスを怠ったことで火災が起きる確率は薪ストーブよりも格段に低いですよね。
扱える人が限られる
これはかなり重要な話です。
例えばですが、小学校低学年くらいの子供では一人では着火できません。させるべきではないです。
※大人がそばにいるときにチャレンジさせることは賛成です。
子供が一人で朝起きたとき、子供が学校から早く帰ってきて留守番をするときなどは着火することができません。
また実家の両親が遊びに来ている時なども同様ですね。
大人であればできないことは無いかもしれませんが、普段薪ストーブを使い慣れていない人がスムーズに着火させるのは難しいと思います。
薪ストーブは着火させることができる人が限られる暖房器具だということは理解されておくべきだと思います。
冬は誰よりも早く起きることになります。
二日酔いで遅くまで寝ていたいときはまず家族のためにストーブをつけて二度寝してください。
住宅密集地ではトラブルにつながるケースがある
煙の話ですね。
これは私は過去にも記事にしていますが、お隣さんと数メートルの距離でお家が建っている場合には薪ストーブを導入されるべきではないというのは前提として、そうでないケースでもしばしばトラブルが発生します。
私は暮らしを営むにおいて、他人に一切の迷惑をかけないようにするには人里離れた山奥とは言わないまでも、隣家と最低でも100m程度は離れている必要があると考えます。
薪ストーブを使っている使っていないに関係なく。
薪ストーブはどんなに上手に焚いても煙を全く出さないというのは難しいですから、煙に対して苦情を言われるケースがあると聞きます。
ただ私個人的な意見としては、隣家の屋根よりも煙突を高くする、空気を絞りすぎずしっかり焚いて煙を極力出さないようにする、乾いた薪を使うなどを気を付けていれば苦情に耳を傾けたとしても、全ての苦情を受け入れる必要も無いのかなと思っています。
もちろん双方納得できる着地点を見つける努力は重要ですし、苦情を発生させないことが最も重要です。
薪ストーブを巡るご近所トラブルが発生しているのは事実なので、この点はデメリットとして挙げておきます。
幸いうちはまだ何も言われたことはありません。
部屋が乾燥しやすい
薪ストーブを使うと部屋が非常に乾燥します。
エアコンと比べるとどうなんだろう。
比較をしたことは無いけれども。
石油ストーブやヒーター、ガスヒーターなどに比べると著しく部屋が乾燥します。
ちなみに東京で暮らしていた頃に使っていた都市ガスのファンヒーター、あれが暖房器具としては最高だと思います。
本体もランニングコストも安いし。なによりガスヒーターって乾燥しないんですよね。しっとり暖かい。
すみません、予期せずガスファンヒーターの話になってしまいました。
薪仕事が発生する
まあこれなんですよね。
薪ストーブの最大のデメリットは。
薪ストーブを使うことを趣味としている方はそうではないと思いますが、生活の一部として薪ストーブを取り入れている場合に発生する薪仕事は、薪ストーブを使うことにおけるデメリットであると感じます。
原木から薪を作らずに薪を購入する場合であっても、薪仕事は発生します。
薪棚からストーブ横へ薪を移動させることも立派な薪仕事です。
原木から薪を作る場合はもっと大変です。
原木を玉切りし、割って、積んで、乾かす。
薪棚も作る必要があります。
薪ストーブを使う上で発生する薪仕事は大きなデメリットです。
時間も体力も使いますので。
後述しますが、子供が幼稚園〜小学生くらいの間が最も薪仕事が捗らないような気がします。
全自動では無い
全自動ではありません。
そもそも起動(立ち上げ)に必ずしも成功するとは限りません。
ストーブを焚いて昼寝をしていて、薪がなくなって目が覚める。といったこともあります。
薪を足し続けなければ暖かくありません。
灰を捨てる必要もあります。
燃えすぎていたら空気を絞り、薪を追加したあとは空気を入れるといった手作業が発生します。
リモコンはありません。
薪を追加するのも、ゴツい革手袋をし慎重に薪を投入し、こぼれた灰を掃除するまでがセットです。
朝起きてきて眠い中でもストーブを立ち上げる必要があります。
薪ストーブはリモコン一つでオンオフできて温度調節ができる暖房器具では一切ありません。
これはデメリットですね。
薪ストーブは面倒くさい暖房器具です。
薪ストーブの後悔に繋がりやすいケース
薪ストーブの後悔
さて薪ストーブの後悔のお話ですけれども。
『薪ストーブに後悔する』が具体的にどういうことなのかを、具体的な言葉にしながら向き合っていきたいと思います。
後悔に繋がりやすいケース
後悔に繋がりやすいケースはいくつかありますが、主な例を挙げてみます。
住宅メーカーから提案、推奨されるまま導入した
よくあるケースです。
BESSは違うと信じたいですが、薪ストーブ付きの住宅を販売しているメーカーさんは基本的に『家を売りたい』わけであって、薪ストーブはその家を売るためのアイテムなんですよね。
薪ストーブが似合う家を売りたいわけであって、薪ストーブを売りたいわけではありません。
いわんや、薪ストーブを便利に使いこなしてほしいなどとは思っていません。
結構見るのがリビングにどーんと薪ストーブが鎮座しているパターン。掃き出し窓からも遠い位置に。
BESSの家のように玄関すぐリビング!みたいな間取りだったら特に気にならなりませんが、玄関、廊下、いくつかのドアを経てリビングという間取りの場合、非常に面倒くさいことになります。
薪の運び込みも面倒くさいし、掃除も面倒くさい。
ストーブ前まで薪を運ぶのにも一苦労です。
リビングに外と出入りできる窓などがあれば良いかもですが、大抵高めの段差がありますよね。窓と外との間に。
そうすると面倒臭さから薪ストーブを使わなくなります。
うちは集塵機で土間を掃除してるんだけれども、そういう奥まったリビングに鎮座しているケースだとどうやって掃除するのが正解なんだろう。ダイソンかな。
薪ストーブが似合う家に住むことと、薪ストーブを使うことは分けて考えた方が良いです。
コスト(費用・時間)を把握せず導入した
うちも完璧に把握してましたか?と言われるとうーんなんですけれども。
薪ストーブをメイン暖房として運用するのには時間と費用がかかります。
かかる費用を下げたいのであれば時間を使いますし、時間をかけたくないのであればお金がかかります。
総じて、通常の暖房(エアコン、石油ストーブなど)に比べて時間やお金のコストは高くなります。
時間をかけたくないので一冬分の乾燥薪を買おうと思ったら結構な金額になります。
地域や買い方によって差があるので一概には言えませんが、エアコン利用よりも月間数万単位で高くなることもあります。
お金をかけたくないので自分で準備をする場合、かなりの時間を使います。
道具や設備の初期投資もかかります。
一冬分の薪を作ろうと思うと土日の週末を何度も消費します。
手際の良し悪しもあるとは思いますが。
更に、薪ストーブと煙突のメンテナンスも必要です。
いやー改めて面倒くさい暖房器具だな。
見た目のかっこよさ、イメージに惹かれて導入した
後悔しやすいポイントではあるんだけど、正直これについてはまあ良いのではと思っている節もあります。
結局薪ストーブは自己満足の暖房器具なので『かっこいい』『楽しそう』『あたたかそう』『なにかあったとき困らなそう』『家族が楽しく過ごせそう』といった感情が強めにあれば、それが一番なんじゃないかと思ってます。
ちなみにうちが導入に踏み切った理由にもこのかっこいいというのは当然入ってました。
ただこのケースで考えられたいのが、自身が飽きやすいかどうかはしっかり考慮されるべきかなと思う。
『かっこよさそう』で導入して一切薪ストーブつかっていないお宅も結構ある。
そういうケース、結構後悔につながりがち。
後悔と失敗は違う
これは薪ストーブに限らずに言えること。
仕事でも同じだね。
失敗というのは、採用した手段、チャレンジが目的を達成しないこと。
後悔というのは、招いた状況に不満があり、取り返したいと思っていること。
薪ストーブの導入に置き換えて考えてみると、『コストを下げられると思って導入したけれど、むしろ高くついた』『確かに暖かいけれど、手間に見合っていない』『かっこいいけれど、様々な理由から使わなくなった』など。
これらは『失敗している』状態であって、『後悔している』状態には至っていないんだよね。
失敗=後悔
になってしまうと本当にもったいないので、失敗したという事実と、後悔しているという感情は分けて考えると良いと思います。
失敗はまだ取り返せるケースが多いので、失敗したことをリカバリーして成功に繋げ、後悔の感情に至らないようにすることが大事。
難しいこと言ってますね。
具体的に言うと、例えば『コストを下げられると思って導入したけれど、むしろ高くついた』のケース、4,5年試行錯誤をしながら向き合えば、コストも手間も下げることはできる。
時間をかければ、情報収集、実践を繰り返すことで自分なりのやり方を見つけることはできる。
できるんだけど、その前に諦めてしまったら後悔してしまうよね。
薪ストーブだめじゃんってなる。もったいないな〜。
ということで、失敗している状況にしっかりと向き合い、改善するためにはどうすればよいかに取り組むことが後悔しないための重要なポイントです。
後悔しないためにできること
これはね。おそらく無理です。
無理というか、無理とかは言ってはいけないんだけど。
どんなに後悔しないために準備をしても、完璧な準備はできないだろうということです。
ただ、可能な限りの準備をすることはできます。
今俺が最も重要だと考えているのが、自分と似た状況で薪ストーブを使っている人としっかり話すことです。
ネットで発信されている情報の多くは当たり前ですけど薪ストーブと薪ストーブの情報であって、リアルに暮らしの中で薪ストーブを使っている人の情報というのは本当に少ないです。
「薪ストーブを使っている人の情報」が少ないということです。
これはとても大事なことで、例えばネットや雑誌の紹介で郊外で暮らしているので薪は手に入りやすいという説明があったとしても、その人が時間の自由が効きやすい仕事なのか、そうではないのか、伐採業、林業の知り合いが多いのかいないのか、家族が多いのか少ないのか、家に丸太を置いておく場所があるのかないのかなど、その人の周辺情報が著しく少ないので、結果的に良い面しか想像できないんですよね。
なので、自分と似た状況で薪ストーブを使っている人から直接話を聞くことはとても重要です。
BESSのログウェイ(展示場)であればたまにコーチャーと呼ばれる、自宅で薪ストーブを使っている人がウロウロしていたりしますから、そういった方に聞いてみるのも良いかもしれません。
特に感じるのが、『会社員、子供有り核家族、程よい郊外暮らし』このあたりが薪ストーブ検討層のボリュームゾーンだと思うんだけど、実際に利用ケースとして紹介されている多くが『自営業、田舎暮らし、シニア層』のケースがほとんどなんだよね。
ちなみに『会社員、子供有り核家族、程よい郊外暮らし』の条件の場合、あまり薪ストーブの設置はオススメしません。
繰り返しになりますが、自分と似た状況で薪ストーブを使っている人としっかり話をすることが何より大事です。
時間の使い方(どうやって時間を捻出するか)、コストの抑え方、良い設置方法など、自分と似た状況の人から話を聞けると、より具体的に自分が薪ストーブを使っているシーンを想像できるでしょう。
自分と似た状況で薪ストーブを使っている人と話をすることは後悔しないための大事なポイントです。
後悔してしまった後にできること
何に後悔をしているのかを細分化して言語化することです。
『薪ストーブ入れたけど後悔してる』だけだと、自分が何に後悔しているのかがわかりません。
『暖かさは良いんだけど面倒くさい』なのか『めんどくさいのは良いんだけど暖かくない』なのかで取りうる改善策は全く変わってきます。
なので、薪ストーブを導入して後悔してしまった場合には薪ストーブの何に後悔をしているのかをしっかりと言語化してみましょう。
そうすると、後悔したあとにとれる改善策が具体的になり、その方法が功を奏した場合後悔の感情が消えることになると思います。
何事も細かく言葉にしてみることは大事です。
薪ストーブの推奨
基本的に私は薪ストーブに対してポジティブな感情を持っていますので、条件が合う方には薪ストーブを推奨したいです。
『条件が合う方には』と前提をつけたのは、やはりすべての人に薪ストーブを勧められるかと言うとそうではないからです
ということで、薪ストーブの推奨のお話です。
薪ストーブを推奨できるケース
いくつかあります。
暖を取るということに対して向き合いたい・責任を持ちたい
まずはこれだと思う。
この考え方に賛同できる方は薪ストーブに向いているんじゃないかな。
温暖化傾向にあるとは言え、現在の日本では一部の地域を除き冬季の数カ月間は暖房を必要とします。
暖房を必要とするということは、暖房がなければ生きられない、もしくは著しく生きにくいということです。
ということは暖房がなければ死ぬ、あるいは通常な生活を送りにくいということになります。
つまり、冬季における暖房は自身や家族の生命を維持するため、社会生活を問題なく送るためになくてはならないもということです。
冬季の暖房については、一年を通じた暮らしにおける優先順位としてはかなり高い位置にあると私は思ってます。
その暖房、電気だけに頼るのは些か怖いなという。
もちろんこれが自分ひとりだけだったらね、厚着して乗り越えるみたいなこともできなくないのかもしれないけど、妻や子どもたちのことを考えると自身で完全にコントロールできる暖房設備があったほうが良い。
石油ストーブ+灯油の組み合わせもかなりコントローラブルな暖房だとは思う。
どれだけ灯油をストックできるかだね。
燃料をストックしておく必要があるというのは薪ストーブも同じではあるんだけど。
薪ストーブの場合は通常1シーズン分+1.2年分程度は薪をストックしておくものなので、とりあえず冬の間1シーズンは寒さに凍えることなく過ごすことができます。
暖房というのは自身、家族の生命線なので、家長としては責任を持って管理したいよね。
ということで、冬季の暖房について向き合いたい、責任を持ちたいという人は薪ストーブお勧めできるな〜と思うかな。
試行錯誤を繰り返すこと、自分で何でも考えて行動することが好き
これは必須条件だね。
すごいお金持ちの方で、薪はお金で買う、ストーブへの薪の投入や空気の調節までお手伝いさん的な方が行うなどの場合を除き、基本的に薪ストーブは自分で手を動かしてやることが多い。
やることが多いので、やり方によって結果がかなり変わってくる。
もうほんと挙げ始めたらきりが無いんだけど例えば薪の乾燥の話。
ネットにある情報を参考に、しばらく雨ざらしその後2年屋根の下で乾燥、とセオリー通りにやってみたのに薪が乾かない、あるいは腐朽菌でスカスカみたいなこともあると思う。
この場合、なぜ失敗したんだろう何を改善すべきだろうと考え実行する必要があるよね。
薪の燃やし方もそう。
多くのストーブは針葉樹は燃やせないとされているけど、実際はそうではない。
『針葉樹だけを、針葉樹ばかりを燃やすのは良くない』が正解だと俺は思ってるんだけど、じゃあ針葉樹はどういう風に燃やすのが正解なのかとか。
薪ストーブって例えばうちの700SLと同じ機種を使ってる方がいたとしても、その使い方や性能の引き出し方、許容している使い方、ルールみたいなものはそれぞれで全然違うんだよね。
これがエアコンだと同じ機種であればほとんど同じ使い方ができると思うんだけど。
薪ストーブで暖をとるという行為において薪ストーブ本体が占める要素って一部分でしかなくて、薪の樹種は何か、いつ切られた原木か、薪の処理の仕方、使う道具、乾燥の時間、薪棚の向き、薪棚での薪の積み方、煙突の掃除の頻度、煙突の施工の仕方、住宅の間取り、住宅の気密具合、着火の仕方、炉内での薪の組み方など本当に要素が多岐に渡る。
これらの要素に対して、試行錯誤を繰り返して自分の望む状況を目指すことを楽しむことができる方であれば、薪ストーブはお勧めできるかな。
薪となる原木が大量に手に入る状況があり、広い土地がある
これは経済状況にもよるね。
例えばうちみたいな110平米程度の普通の家1軒を薪ストーブだけで温めようとしたら、結構な量の薪を使う。
これの薪を購入するとなると相当な金額になる。
ということはある程度自分で薪を準備することが重要になってくるんだけど、そうすると必要になってくるのがこの見出しの2点。
原木が手に入る状況と広い土地。
正直普通に暮らしてたら原木が手に入る機会はそうそう無い。
なので自分から積極的に情報を集めにいく必要があるんだけど、それでも場所によって相当格差があるんだよね。
自治体が勝手に持って行っていいよとヤードに山積みしている場合もあるし、ジモティーなどで原木情報が出た途端取り合いになることもある。
で、この原木が中々手に入りにくい状況が続くとそれはとてもストレスになる。
俺もしばらく原木が手に入りにくい状況を経験してるのですごくよくわかる。
なので原木が手に入りやすいかというのはとても大事。
そして広い土地。
これは原木を手に入れてもすぐに薪にすることは難しいのでしばらく保管をしておく必要があるよね。
そのための土地ということです。
この2つの条件が満たせる場合もわりと薪ストーブお勧めできる。
有り余る時間がある
いやほんとこれだね。
しっかり薪仕事をしようとするとめっちゃ時間を使う。春夏秋冬いつも何か薪仕事をしてる。
なので薪ストーブを導入する方は時間の都合をつけやすいというのはかなり重要な条件になってくる。
今になって感じることは、『通勤有りの会社勤め』『子供らが幼稚園〜小学生』この2つが当てはまる状況では薪ストーブあまり勧められないかな。
時間作れないから。薪仕事の。うちも今まさにこの状況。
薪ストーブを使う場合は、薪仕事に充てられる十分な時間があるかも確認をするべきだね。
とは言っても、これはある程度お金で解決できる問題ではあるよね。
追記:会社勤めの場合
薪ストーブをメインで扱う方(例えばお父さん)が会社勤めの場合は、以下の条件に当てはまるのであれば薪ストーブを検討できると思う。
- 在宅(完全 or 週に2日以上の在宅勤務)
- フレックス(出勤、退勤時間がある程度自由)
- 通勤時間が短い
- 有給を前日、当日申告でも取得可能
- 敷地が広い
ほぼ俺なんだけれども。
なぜ有給を前日当日に取得できると良いか、それは原木情報が出た際にすぐに動ける必要があるからです。
敷地が広いというのは場合によっては原木や玉切りの状態でストックしておく必要があるからです。
これでも薪仕事や薪ストーブのために割ける時間はギリギリなので上記の条件に当てはまらない場合は厳しくなってくると思う。
週末だけ使いたい。薪は購入で良い
別荘とかね。家が広いとか。
これはもう生活の一部というか趣味的なものだと思うので、どんどんやっちゃえば良いと思う。
さらに趣味のアイテムだとしても薪と薪ストーブがあるというのはいざというときにに暖をとれるんのでそれはそれで良いことだよね。
家が広いとか別荘とかで普段は使わないけど週末だけ薪ストーブ入れたりする、みたいなケースだとお勧めできるかな。
準備する薪も少なくてすみそう。いやどうだろ。わからんけれども。
暖房費用を下げたいという目的に対しては推奨しにくい
これは個人的には推奨できません。
見出しで言いたいこと言ってしまったのですが、どういうことか掘り下げていきます。
結論から言うと、薪ストーブで家1軒暖めるのと、エアコンで家1軒暖めることを比較した場合、よほどのことが無い限りエアコンの方がコストメリットは高いからです。
薪ストーブにかかるコストを挙げると
- 薪ストーブ本体の費用
- 煙突の費用
- ストーブ、煙突の施工費用
- 薪、原木の費用
- 原木回収にトラックを借りるならそのレンタカー代
- 薪棚の制作費用
- チェンソーの費用
- チェンソーのメンテナンス費用
- チェンソーの消耗品。ガソリン、オイルなど
- それ以外の道具。斧、手袋、諸々。
最初の1年は薪ストーブの本体や施工代以外に20万近く掛かった。
では2年目以降はコストが下がるかというと、必ずしもそうではありません。
原木が手に入りにくければ引き続き購入する必要がありますし、道具は壊れることも自分に合わないこともありますから、買い替える必要も出てきます。
私は2年目も薪を自分で完全に準備することができず購入していました。
とても高かったです。
ということで、暖房費を下げることを目的に薪ストーブを導入することはあまりおすすめできません。
林業や果樹系の農業をされてる方であれば話は別だけれども。
薪ストーブ、推奨する機種のお話
人と状況によってお勧めの機種は変わるので『こういう風に選んだら良さそう』という視点でお話していきます。
迷ったら少し大きなもの
薪ストーブは、完全にとは言えませんが大が小を兼ねることができます。
うちは家の体積に対して少し大きい薪ストーブを使ってるんですが、基本的には満足してます。
逆に、小さいものにしなくてよかったなと思います。
どういうことかというと、薪ストーブは部屋を温めるのに時間がかかるので多少大きな方が良いというのがあります。
あとは大きなストーブであれば長い薪やコロ薪なども燃やすことができるので便利です。
当然部屋が暖まりすぎる場合がありますが、窓を開ければ良いので大した問題ではないです。
むしろ真冬に窓を開けられるのはとても気持ちが良いのでオススメです。
ということで、迷ったら少し大き目の機種を選ばれると良いと思います。
極力シンプルな構造
壊れにくいからです。
意外ですが薪ストーブは結構壊れます。
うちは壊れこそしていないものの、建付けというか前面扉の閉まりがおかしかったりする部分があったりします。
薪ストーブは燃焼中に炉内で相当な高温になりますから、本体が頑丈である必要があります。
繊細で複雑な仕組みだと、少し扱いを間違っただけで壊れることがあります。
また、シンプルな構造であれば自分でメンテナンスをしたり修理をしたりすることもできますので、やはり極力シンプルな構造のストーブが良いかと思います。
燃費よりも使いやすさ
これは個人的な意見がです。
ストーブによって、燃焼が早いもの、ゆっくり燃えるものなど様々です。
その違いは薪の消費量、つまり燃費として差が現れます。
燃費の良さを謳うストーブではどうしても繊細で複雑な操作を要求されます。
また、ストーブ自体の仕組みも複雑になりがちです。
そうすると、ストーブのことを理解している人は使いこなせるかもしれませんが、そうでない人では使いこなすことができません。
誤った使い方をして全然暖かくならない、ストーブを壊してしまったということもあるでしょう。
実際に最近、とある燃費の良さを謳うストーブを使っている方が、数年使っているけれども全然暖かくならないということを仰っていました。
その方は使い方を少しだけ間違っていて、その結果数年間そのストーブの性能を引き出せていなかったということでした。
個人的な意見になってしまうけど、多少燃費が悪くてもやっぱり使いやすいストーブをオススメするかな。
蓄熱性の高さ
ストーブにはいくつかの素材がありまして、鋳物、鋼板、鉄、ステンレス、石など。
オススメなのは鋳物か石です。石のストーブ重いし高いんだけれどどう考えても蓄熱性が高いので良いな〜と思ってます。
なんで蓄熱性が高いほうが良いかというと、熱エネルギーをストーブ本体に蓄えられるからです。
例えばですが石油ストーブは消えたその瞬間から寒くなり始めます。
石油ストーブが温めていたのは空気だったので、その空気が入れ替わり始めると寒くるからです。
蓄熱性の高い薪ストーブは炎が消えてからもしばらく温かいです。
これはストーブ自体が温まっているので炎が消えても部屋を暖める熱源として働くからです。
この差は顕著で、鋼板製のストーブと鋳物ストーブでは結構な差が出てきます。
ですので、もしいくつかのストーブで迷われてるのであれば蓄熱性の高い鋳物か石でできたものをオススメします。
ちなみに石でできたストーブで有名なものは「ハースストーン」さんというブランドがあります。
ドアの下に受け皿がある
これは結構というかかなり大事だと思ってます。
薪ストーブは汚れます。これは何度も言うんですけど汚れます。
いろんな汚れがあるなかでこの下皿に関係するのは、ドアを開けた際に灰が落ちることです。
炉内で薪を焚いていると、どんなにきれいに薪を積んでもドアの開閉部まで灰が来ます。
ですのでドアを開けるたびにその灰が落ちます。
なのでドアの下に灰の受け皿があるタイプをオススメします。
炉内が広い
「長い薪が入る」とは少し意味合いが違います。
炉内が広いと何故良いかというと、コロ薪を燃やすことができるからです。
薪を作っているとどうしても規格外の端材的なものが発生します。
うちは45cmで薪を揃えているんですけれど、原木を玉切りしていくとどうしても45cmにならない部分が出てきます。
また、きれいな薪にすることが難しい節や又の部分などもあります。
これらをコロ薪とするのですが、炉内の広いストーブを使っていると処理が面倒くさい節や又の部分が出てきても「このまま乾燥させて燃やしちゃおう」ということができます。
これができると、手に入れた原木を無駄にせずに活用することができます。
なので炉内が広いストーブは薪仕事が楽になる(雑でも許容される)のでオススメです。
ストーブ上部が熱くなる
料理ができたり、お湯を沸かすことができるからです。
特にお湯を沸かすことができるのは便利で、お湯を張ったやかんや鍋を置いておくことで加湿にもなります。
またスキレットやダッジオーブンを洗ったあとの水切り(蒸発させる)にも使えます。
ストーブ上部で焼き芋も作れます。
ということで、ストーブ上部が熱くなるタイプをおすすめします。
自分が一番惹かれる
まあいろいろ言いましたけれども。
結局は自分が惹かれるストーブが一番だと思います。
つらつら書きましたがやっぱり薪ストーブって趣味性が高いし、通常のエアコンと違って生活への関与度も高い。
薪仕事も面倒くさいし、薪をどうやって手に入れるかもずっと考えてなきゃいけない。
そういう状況で、利便性やあるべき論で選んだ自分が特に好きでもないストーブを使ってるとなんかちょっとね、モチベーション下がるよね。
ということで好きなストーブを使ったほうが良いです。
ちなみにうちはバーモントキャスティングスと悩んだんですけど機能と使いやすさからドブレにしました。
見た目もドブレのほうが実用的な道具感があって良いなと。
結果的にすごい今のストーブのこと好きになれているので、良かったなと思ってます。
とは言ってもバーモントキャスティングスもカッコいいんだよね。どっちも好きです。
薪ストーブにまつわるお話
後悔につながるとかそういうことではないんだけれども、薪ストーブに関連するお話についていくつか挙げてみます。
薪集めについて
薪ストーブを使用している限り、死ぬまでこの心配をする必要があります。
薪を購入している場合だとしても未来永劫その購入先から買えることは無いと思っておくべきです。
わりとあるのが薪販売、原木販売からの撤退です。そうすると新しい購入先をみつけなければいけません。
原木を自身で手に入れている場合も同様です。
今の入手先がずっと続くわけではありませんから、常に木を手に入れる方法を考えておく必要があります。
これは正直結構なストレスです。
私は今後お金で解決できることはお金で解決していこうと思ってます。原木を買うか薪を買うか。
ただ、上で述べた通りもしそうやって買うようになったとしても、常入手先の心配をする必要はあります。
いやしかしこれ書いてて思うけどほんとストレスだな。
山を持ってて定期的に伐採してるとか、林業やってるとか、伐開を生業としているなどで無い限り常にこの薪集めの話は付いて回ります。
薪の乾燥
薪の乾燥のこと。
これはね〜諸説あるしみんないろんな意見を持っているんだけど意見を述べる人皆状況が違うので必ずしも全員に当てはまる正解って無いんだよな。
薪ストーブ関連のコミュニティなどで、最低でも2年は乾燥させないとみたいな議論があってたりするけれど、必ずしもそんなことは無い。
2年の乾燥が必要な場合もあるだろうけれども、どんな状況でも必ず2年間乾燥させないといけないということは無い。
地域、標高、年間降雨量、原木の樹種、切った季節、原木の太さ、割り方、割ったらすぐ積むか、しばらく雨ざらしか、枝か幹か、棚は南向きか北向きか、薪は何段積みか何列積みか、薪棚の屋根は透明か、家の壁に添わせた薪棚か。
乾燥に影響を与える要素は多岐にわたるので当たり前だけど適切な乾燥期間は一概には言えない。
うちは基本的には1年以上棚に積んでるけど、場合によっては5月の連休までに薪棚に積んだものはその冬のから使う場合もある。
使う前に含水量計で一応測ってみるけど水分量が20%以上残ってることはそうそう無い。
コロ薪などはもっと早く乾く。
うちは結構早く乾燥するんだけど、場所によっては2年でもなかなか乾かないという環境、状況もあるかもしれない。
なので、薪の乾燥についても自分なりの正解を見つけるしか無いんだよね。
とは言っても切ったばかりの木だったり明らかに乾燥不足の薪を燃やすのはオススメしないよ。
火事の危険もあるし近くに民家がある場合は煙で迷惑をかけることにもなるからね。
『薪仕事』のこと
薪仕事も薪ストーブを使う限り一生ついてまわる話です。
薪仕事というと薪割りを想像しがちなんだけど、薪仕事のうち薪割りが占める割合って場合によっては2割も無いんじゃないかな。
原木情報の収集、原木回収、玉切り、薪割り、薪積み、場合によっては薪移動、焚付作り、薪棚作り、薪場の整備 などなど。
薪仕事は薪割りだけじゃない。
でこの薪仕事、最初のうちは本当に時間がかかるんだよね。
試行錯誤をしながら進めなければならないので。
薪割りですらなかなか進まない。
今うち幼稚園と2年生の子供がいて、構ってくれ遊んでくれどこか連れて行ってくれがすごいから薪仕事の時間がほんとに取れない。
俺自身も薪仕事なんかしてるよりも子どもたちと遊びたいからね。
もしこれが5年前くらいのもう毎週末薪仕事しても終わらないみたいな状況だったらほんとに破綻してたと思う。
効率的に薪仕事を進めることができるようになっていたから、子どもたちと時間を作りつつ空いた時間で薪仕事を片付けることができるようになってる。
なので、これから初めて薪仕事に取り組む場合は自分で時間をしっかり作れるかどうかは非常に重要。
薪仕事は楽しいんだけど、この薪仕事を暮らしの中にどのように取り入れるかはきちんと計画されていたほうが良さそう。
先駆者の方々、諸先輩方からの情報発信について
現在ネットで見ることができる薪ストーブの記事や情報は、薪ストーブ屋さんであったり施工業者さんであったり薪屋さんであったりログハウス屋さんであったりがほとんとです。
そうでない場合は時間に余裕がある自営業をされている方だったり。
このブログを見てる方には会社勤めされている方も多いと思いますが、薪ストーブの導入を検討される場合には後悔しないためにもご自身の状況に照らし合わせて考える必要があると思います。
正直私も、薪ストーブ検討時は薪ストーブがある暮らしの良い面ばかりを見ていて導入後に後悔したポイントもいくつかありました。
時間とれないじゃん!お金かかるじゃん!薪の無償配布なんてほとんど無いじゃん!汚れるじゃん!とかとか。
「今日はどこどこで伐採木の無償配布があったのでもらいに行きました」
こんなことは本当に滅多にありません。私は出会ったことがありません。
薪ストーブは現代の暖房器具としてスタンダードではありませんから、発信されている情報はそういうスタンダードでは無い暖房器具を使っている方の情報です。私含めて。
ですので情報に偏りがありますし、良し悪しが全方向から網羅的に語られない場合も少なくありません。
上でも述べましたが、薪ストーブ導入を検討しているときに大切なのは「自分と似た状況で導入している人から話を聞く」です。
極力自分と似ている境遇の人から話を聞いてください。
年齢、収入、職業、家族構成、自由になる時間、居住地域、家の間取り など。
エコか、エコじゃないかの話
これ。
薪ストーブはエコかエコじゃないかの話。あまり考えなくて良いと思う。調べなくても良いと思う。
エコかどうかは薪ストーブ導入の理由として語られるべきではないと思うから。
電力だって石油だって同じ。
個人レベルでエコかエコじゃないかは考えなくて良いと思う。
何かをエコだと決めるなら、別の何かはエコでは無いという話をしなければなりませんし。
エコだと思って薪ストーブにしたのにエコじゃなかった〜!って後悔する人いないですし。
個人的な意見ではありますけれども、薪ストーブについてはエコかエコじゃないかの話は考えなくて良いと思います。
後悔しない薪ストーブライフを!
色々書きましたが、個人的には薪ストーブ大好きです。
だけど誰にでも当てはまる万能な暖房器具では無いので、ご自身の状況に当てはめてみてしっかり検討されるのが大事だよね。
良き薪ストーブライフに出会えることを応援しています!またね〜!
しかし今回長い記事になったな。
コメント