BESSさんの新しいモデル、間貫けのハコ。
良いですよね。良いモデルだと思います。
間貫けのハコについてその特徴や良いところ気になるところ、どういう暮らし方が向いているか、アレンジするならどうするか的な視点で見ていきたいと思います。
この記事を書いているのは誰?
林田です。
2019年からBESSの家のカントリーログハウスに住んでいます。
BESSの展示場、Logwayは10箇所以上見て回りました。
BESSの家に住んで、良いところもそうでないところも体感しながら暮らしておりまして、BESSの家については多少詳しいつもりです。
↑このブログで最も読まれている記事です。タイトルの割にネガティブな内容ではありません。
BESSの家、間抜けのハコとは?
BESSが「三角ワンダー」として展開をしているもので、BESSの家で最も売れているモデル「ワンダーデバイス」シリーズの三角屋根モデルと位置づけられています。
ワンダーデバイスシリーズとして出しているけど結構様相が違うよね。
これが俺達が知ってるワンダーデバイス。
ではこの三角ワンダーの間貫けのハコ、四角のワンダーデバイスと何が違うの?
公式サイトでは言っていない部分も含めて見ていきましょっか。
四角ワンダー(通常のワンダーデバイス)と間抜けのハコの違い
いくつか挙げられるぞ。
- 屋根の形、外観
- 外壁
- 内装
- 開口部
- 収納
- 間取り、アレンジの自由度
- 価格
- 建物自体の佇まい、振る舞い
それぞれ見ていこう
屋根の形、外観
見て明らかではあるんだけど、屋根の形と外観は大きく違う。
これがこれまでのワンダーデバイスと最も違う点と言って良いと思う。
かなり見た目が違うし印象も全然違う。
外観における間抜けのハコのメリット・デメリット
これは個人の好き好きだからね。どっちが良いとか悪いは無いと思う。
敢えて挙げるとするなら、景観条例の話があると思う。
通常の四角いワンダーデバイスは、景観条例で三角屋根しか建てられない地域ではそのまま建てることができない。
三角屋根にしないといけない。
BESS北九州さんのこの記事に掲載されている、焼菓子店のアラペイザンヌさんところのワンダーデバイス。
屋根が平らではないんですよね。これはこの地域が景観条例に指定されていることに由来します。
こういった条例にも影響を受けず建てられるというのは間抜けのハコの外観上でのメリットかもしれない。
ちなみにこのアラペイザンヌさんのお菓子はとっても美味しいのでお勧めです。
贈り物、お土産にも喜ばれます。
外壁
外壁もかなり違います。
通常のワンダーデバイスはガルバリウム、間抜けのハコはスレートです。
私はこの間抜けのハコに採用されているスレートがどのようなものか詳細を知りませんので、品質の違いについては触れることができません。
が、外壁素材にメンテナンス性のことを考えると間抜けのハコの外壁はデメリットになってしまうかなと考えたりもします。
ちょっと傷んだので、ちょっと改修したいのでという理由で地元の工務店に頼んでも、部材が特殊な場合同じものが手に入らない可能性があります。
その点四角ワンダーのガルバリウムは言い方アレですがどこでも手に入る物なので、メンテナンス性は高いと思われます。
ただまあ、外壁をいじることなんでそうないのでこれがデメリットかと言われるとうーんだね。
気にするレベルでは無いと思う。個人的には。
間抜けのハコのこの特徴的な鱗っぽいデザイン、これオプションなんだって。
通常は平らなストレートなものらしい。
間貫けのハコ 外壁の木部の少なさ
これは間貫けのハコの大きなアドバンテージだと思う。
正直戸建てで外壁に天然の木材が使われているのはデメリットのほうが大きい。
よほどこだわりがない限り屋外にに露出する部分に天然の木材を使うのは避けるべき。
うちはログハウスなので仕方がないんだけど、在来工法で作られている2F部分は外壁が木である必要なかった。
南に向いた外壁に木材が使われいてると相当な速さで劣化します。
新築後5年経ったらガサガサです。
屋外部分の木部が少ない間貫けのハコは木部のメンテナンス性という意味では大きなアドバンテージがあると思います。
内装
間貫けのハコは国産杉が使われていることを訴求ポイントとして打ち出しているね。
国産杉を使っていることについて公式サイトでは「癒される香り。気持ちいい手ざわり」と表現しています。
これに対しては何も言うことは無いけれど、個人の感覚次第なので「国産杉です!!」ということが購入検討者全員に対してポジティブなポイントになるかというと微妙だね。
杉は確かにいい匂いだけれども、外国産のパイン材(松)も良い匂い。甲乙つけられないな。
その点ヒノキは頭一つ抜けてるね。いい匂いのレベルが違う。
これも個人的な感想だね 笑
個人的に推したいのは素材ではなく内装のデザイン
かつてBESSには和風なログハウスの「あきつログハウス」というものがありました。
そのデザインを思い出させます。
通常のワンダーデバイスはどう転んでも和風というか、落ち着いた雰囲気は出しにくいです。
これは我々が家を建てる際、最後の最後でワンダーデバイスを検討から外した理由でもあります。
では、かと言ってシニア向けな雰囲気かと言うとそんなことは全くありません。
かつてのあきつログハウスは、落ち着いた=年齢層高め という雰囲気がどうしてもありましたが、間貫けのハコにはその雰囲気がありません。
若い頃、子供が小さいときは大いに家を活用し、年を重ねたら落ち着いた雰囲気で暮らすというのが叶うデザシンだなと思ったりしました。
個人的な感想ですね 笑
開口部
開口部というか窓のお話かな。
これもアレンジ次第でどうにでもなるっちゃなるんだろうけど、
同じ方角に対する開放感という意味では間貫けのハコは控えめ。
これは大きな差になると思う。
ここでは開口部が広く開放感が高いことをメリットとはしていません。
開放感が抑えられ、クローズドな雰囲気についてもメリットとして捉えることができると個人的は思うからです。
収納
間貫けのハコの収納の話。
まずはオーソドックスな間取りを見てみます。
BESSの家の間取り、見ているだけでワクワクするよね。
さて収納の話なんですが、ノーマルの間取りのままだと著しく収納が少ないです。
じゃあ四角ワンダーはどうなのよって見てみると、今こんな感じになってまして
こっちも少ないじゃん!ってなりますよね。
ただ四角のワンダーデバイスは
- アレンジするのが前提
- フランクフェイス、ファントムマスクにはベーシックモデルでもある程度収納ある
などの理由からよほどのことでないと収納に困ることは少ないと思います。
玄関周りの収納が著しく少ない
これが最も気になったことかな。
玄関周りは中にも外にも置いておくものが意外に多いです。
傘や靴はもちろん屋外で使うちょっとした小物、遊び道具、ペットを飼われている家であればペットアイテム、お子さんがいるおうちであれば子供アイテムなどなど
それらをこの玄関で受け入れられるかというとちょっと難しい印象を持ちます。
これはあきつログハウスと結構似てるんだよな。
間貫けのハコ 玄関収納の少なさ解決アイデア
2つあると思います。
- 玄関屋内側に収納を増設する
- 玄関屋外側に軒をつける
- リビング側の開口部を玄関として使う
玄関内側に収納を増設する
これは建てた後に自分でもできると思います。
必要な収納を作ってしまえば問題なさそうです。靴箱や簡易なハンガーラックなど
玄関屋外に軒をつける
これです。
これは家を建てる注文時にやっておくべきです。
ログハウスは自分でできますし、四角ワンダーでもギリギリ自分で出来そうな感じがありますが間貫けのハコは自分で軒をつけるのがかなり難しそうです。
軒を付けてもらうなら、玄関から縁側まで塗れずに行けるくらいのものを付けてもらうと良さそうです。
リビング側の開口部を玄関として使う
これが良い解決になる気がしています。
リビング側の縁側の窓を外から鍵を掛けられるようにすれば結構な問題は解決しそうです。
靴箱も縁側横に作れそうだし、屋外に置いておきたいものも多少なら置く場所がありそう。
間貫けのハコ 家全体での収納の少なさ
2Fの3畳の収納スペースだけではどう考えても家族分の収納スペースとしては不十分なので、打ち合わせ時に収納は増やしておくべきだと思います。
せめて家族分の衣服が問題なく収納できる量は確保しておくのが良いかと思いました。
最悪衣服など以外は物置を手に入れてそこに保管しておくなどもできますので。
間取り、アレンジの自由度
これが結構重要なのではと思っています。
前述した四角ワンダーと間貫けのハコの大きな違いとして屋根の違いを挙げました。
それは当然ですが屋内では勾配天井になることを意味します。
この勾配天井であるがゆえに、間取りアレンジの自由度はどうしても四角ワンダーに劣ります。
うちもカントリーログハウスで勾配天井になっているのですが、正直天井が身長よりも低いエリアは使い勝手が悪く、寝るか収納くらいにしか使い道がありません。
収納としても、四角い家具は収まりが悪いので収納効率が悪くなります。
そうすると結果的に寝る(ベッドを置く)くらいしかなくなるのですが、ベッドを置いたとしても端っこまで寄せられませんからやはり空間を効率よく使えなくなります。
ですのでこの勾配天井エリア分、間取りやアレンジの自由度が低くなります。
それはこの間貫けのハコの個性でもあるので仕方ないですし、それが必ずしもネガティブかというと個人的にはそれも違うかなと思います。
うちのこの勾配天井の部屋も子どもたちは大好きですし、私もなんだかんだ気に入ってたりはします。(不便だけど)
ということで間取りのアレンジのお話でした。
価格
価格ね。
間貫けのハコ:1,760万円(24.9坪) 〜 2,089万円(33.9坪)
四角ワンダー:1,880万円(25.5坪) ~ 2,510万円(37.8坪)
小さめのモデルではあまり価格差が無いけれども、大きめのモデルになると少し価格差が出てくる。
間貫けのハコの方がコストメリットが出てくる。
これをどう考えるかなんだけど、前段で書いた間取りの空間効率の話を考えると必ずしも間貫けのハコのコストパフォーマンスが良いかというと微妙。
四角ワンダーは延床面積全てを効率よく使えるけど、間貫けのハコは延床面積のうちの一部は勾配天井となっていてその部分はとても用途が限られる。
また事実として面積が同じであっても空間が少ない。勾配天井になっている分だけ。
なので単純に延床面積と価格(所謂坪単価)で間貫けのハコと四角ワンダーを比べてしまうのは良くないかなと思います。
ただ、BESSの家も他の住宅メーカー同様高くなっているからね。そもそもの価格が。
このあたりをどう捉えるかはそれぞれのご家庭次第かなという気もします。
建物自体の佇まい、振る舞い
四角ワンダーと間貫けのハコの違いにおいてこの建物自体の佇まい、振る舞いという点も大きいと思う。
従来のワンダーデバイスシリーズは、フランクフェイス、ファントムマスク、VOID、GANG、NAKEDなどいろいろあるけど、いずれにしてもとてもアクティブな印象を受けるんだよね。
建物自体から発せられる印象として。外向きで快活、多少の大雑把は許容みたいな。
対して間貫けのハコはとても繊細で丁寧な印象を受ける。
一つずつを丁寧に、小さい変化に対する一喜一憂を楽しむといったような暮らしを想像させる。
ほんと個人的な感想だけど、都会的な趣味が似合うのではという印象がある。
どういう暮らしがしたいかの抽象度を上げたときに、「丁寧な」とか「落ち着いた」とか「柔らかな」とかの言葉が浮かぶ方は間貫けのハコ、とても向いていると思う。
間抜けのハコ どういう暮らし、どういう方に向いているか
さてまとめに向かっておりますけれども。
あくまで個人的な意見だけれども、間貫けのハコは都市部での暮らしに向いていると思う。
都市部の平均的な、あるいは少し狭めの土地に、スポンと収めるのに向いてる。
開口部の狭さや、クローズドな佇まい、縁側の活用など。
観葉植物の育成やアクアリウムが趣味の方、読書やゲームや裁縫、工作など文化的な趣味の方に向いているのではと思う。
カメラや映画、散歩が好きという方にも向いていそう。
家自体のメンテナンス性の高さも特筆すべき点。家に対してはあまり何もしなくて良い的な。
BESSの家は「家の中と外の区切りがない」みたいな、外に出やすいことが売りなんだけどこの間貫けのハコはちょっと雰囲気が違う。
郊外、田舎には向いてないの?
悩ましいな。
その土地のランドスケープを活かすのであればやっぱり四角ワンダーやログハウスのほうが向いてると思う。
開口部の広さや屋外へのアクセス性などを考えると。
間貫けのハコを郊外や田舎に建てるとするならそうだな、郊外や田舎にあるちょっとした集落、そんなところに建てるのであれば向いているかもしれない。
いやすみませんわかりません。人それぞれだし。
間貫けのハコ とても良い家だと思う。
あきつログハウスがなくなって、あきつログハウスで受け止めていたニーズをどうするのかなと思ってたんだよね。
G-LOGを「G-LOG なつ」として和の要素を取り入れたり、特別モデルに「コルリ」名付けて落ち着いた雰囲気を出していたりと工夫されていたけど、やはりあきつログハウスで取り込めていた需要はG-LOGでは受け止められないよなと個人的には感じてた。
そこにこの間貫けのハコ。
あきつログハウスとコンセプトが近く良い意味でブラッシュアップされ現代的になってる。
↑あきつログハウス。画像はBESSさんが運営する貸別荘、フェザント山中湖さんのサイトから。
間抜けのハコ、「BESSの家、良いと思うけど欲しいモデルが無い」となっていた層に対して新しい提案ができていると思う。
BESSの家は暮らし次第ではとても良い家
毎回この締めになるけれども。
BESSの家は自分のやりたい暮らしが明確な場合にはBESSの家はとてもハマると思う。
家に多くを求めるような家選びには余り向かないかな。家はあくまで道具なので。
家をご検討中の方で、こういう暮らしがしたい!という明確なビジョンがあり、そのビジョンに「落ち着いた」とか、「丁寧な」などの言葉が出てくるような場合は、間貫けのハコ、とてもお勧めです。
BESSの家を選ぶ方もそうでない方も、家を探している全ての方が素敵なおうちに出会えることを願っています。
今日はそんな感じ!またね〜。BESSの家良い家だよ〜。
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