前提として薪は燃料なので、お金を出して買うものです。
薪ストーブ関連の企業さんが稀に、伐採木を使えば燃料費がかからないというような触れ込みで薪ストーブや薪ストーブ付きの家をセールスをしている様子を見るけど、それはいささか乱暴な売り方かなとも思う。
もちろんすべてが間違っているというわけではないと思うけれど、やはり薪になるような木材はそう簡単に手に入るものでは無い。
そうは言っても安価であったり無料で手に入れることももちろん可能。
うちは薪ストーブを始めて3年目で完全無料化できた。
農家や林業、伐採業をしていない一般の人が効率的に薪を集めるために必要な考え方などのお話です。
薪の入手:居住地域の話
これが結構大事。
薪ストーブの家を建てたい、且つ薪は安価に手に入れたいと思うのであればまず居住予定の地域が薪材を安価に手に入れることができるかどうかを考える必要があります。
ではどういうところが良いの?
薪集めに向いている地域
地方都市近郊の郊外
地方都市の郊外というのは、伐採が頻繁に結構な規模で発生します。
この「頻繁に結構な規模で発生」というのが重要。
頻繁に発生していても1回あたりの量が少ないのであれば競争率の高さにつながるし、規模が小さく回数が増えれば効率よく回収することも難しい。
地方都市近郊の郊外は、住宅地用の開拓伐採、休閑地の維持管理のための伐採、あと個人的にはあまり好きでは無いんだけどソーラー用地としての伐採、倉庫用地としての伐採など事業用の伐採の他にも、個人が所有している山や雑木林を個人がユンボとチェンソーでゴリゴリ伐採しているシーンなどが多々ある。
それらの伐採された木々は大抵産廃として処理されるので、すみませーんと声を掛けてみる。
赤丸で示したような場所。
こういうところをバイクでブーンとウロウロしてると伐採している状況によく出会う。
山間部の農村地帯
山間部の農村地帯も同様に木々を伐採するシーンは少なくないんだけど、山林資源の活用を目的としない伐採を行う企業や個人が少ない。
逆に言うと山林の資源で事業を行っている企業が多いので、安く原木を入手できる機会が多い。
薪材の費用には伐採費用や運送コストも多分に含まれる。
山間部の農村地帯ではこの運送コストが安く抑えられるので入手がしやすいということ。
山間部での薪集めはもう一つ利点がある。
それは山林を所有する地主さんから木を切って良いよというシーンに出会うということ。
大抵トレードオフとして山林のメンテナンスを求められることが多い。
林道の草刈りや雑木林の下草刈りなど。
薪集めに向かない地域
逆にどういう地域は薪集めに向かないの?
都市圏
当たり前だけど町中は木を切ってる場所が少ないし、よほどお金持ちでない限り敷地の広さが限られるので敷地内に置いておける薪材の量も限られてくる。
薪は引き取って欲しい側と引き取りたい側のタイミングが全てなので、敷地内に置いておくスペースを確保しにくい都市圏では薪集めは難しい。
首都圏近郊の郊外
薪に関する様々な情報を見ているとこのエリアの方々本当に薪集めに苦労されてる。
何故か。シンプルな話で競争率が高いから。
千葉県北部や埼玉県南部など。
首都圏へ通勤できる距離というのが一つのポイントになりそう。
当たり前だけど、言うても首都圏近郊なので伐採木の発生自体が少ないし、且つこのあたりのエリアは「通勤は長くても良いので少し広い敷地でスローライフを楽しみたい」という方々が選ぶので、結果として薪ストーブを導入しているお宅も多くなる。
その結果、競争率が激高になる。
ほんとめちゃ大変そう。
千葉県から栃木や群馬まで遠征されてる方もいる。
コミュニケーション力の話
薪集めにはコミュニケーションがとても大事。
薪くださいはもちろんだけどそれ以外も。
伐採している方に声を掛ける
声を掛ける事自体もそうだけど、その方がお仕事中は絶対にダメなのでちょうどよく休憩されてる時間、仕事が終わる時間などを見計らって声をかける。
大抵現場系のタフな仕事されてる方たちはお昼休みはちゃんと取るし17時前には片付けを始めるのでそれらのタイミングを見計らってこえを掛ける。
個人的にはこれからお昼休みに入ろうかとする11時半〜12時、仕事終わろうかの16時以降あたりが声を掛けやすい。
もちろん邪魔にならないように。迷惑をかけないように。向こうは仕事だからね。
で、薪集めをしてる一般の人って普通の会社員も多いよね。
そんな時間に声かけられないじゃん。
でポイントになるのは土曜日。
伐採されてる現場など土曜は普通に仕事されてるケースも多いから。
あとは午後休取ったりして意地でも時間を作るとか 笑
※現場には絶対に勝手に入らないこと。不法侵入です。
現場から出てきたところで声をかけましょう。
お礼をする
基本的に伐採木をくれる人は、処分するとお金がかかるので持っていってくれるとありがたい、という人たち。
具体的に言うと山林伐採の方だけでなく造園屋さんや植木屋さん、大規模にやってる果樹園さんなども。
確かに先方は無料でも持っていてほしいと思っているわけだけど、もらう方としては本来お金を払って買うべきものを頂いているのでお礼はしないとね。
薪集めしている人と仲良くなる
大規模な薪場になると、自分以外にも薪集めをしている方に出会う。
こういう方の中で非常にベテランの方がいらっしゃることが多いのでそういう方を見極めて仲良くなる。
そうすると良い薪の情報を教えてくれる。
これは本当に感謝している。
これらの他にいろんなとこに電話をかけるっていう方法もあるんだけど、ブログに書くようなことではないので割愛。
薪回収の対応力の話
これはとても大事。
対応できるレベルはいくつかあると思うんだけど、対応力が高いほうが声かかりやすいし、こちらからも声をかけやすい。
- 伐倒して搬出できる
- 伐倒できる
- 伐倒はできないけど原木のまま搬出できる
- 原木では運び出せないけど玉切りして運び出せる
- 玉切りされたものであれば運び出せる
- 運び出せるけど全部いらない。ほしいものだけ。
- 運び出せない。持ってきてほしい。
- 番外:置いておいて良い
上記の順で業者の人からは喜ばれる。
1なんてもはやお金払って依頼するべき仕事だからね。本来。
競争率が一気に上がるのが5以降。
なぜか、キャンパーとも競合するようになるから。
キャンパーと競合するようになると一気に競争率が上がるし良いものが手に入らなくなる。
薪ストーブを使っている方の場合は最低でも4は身につけておきたい。
もちろん安全第一でね。
ちなみに現場にクローを付けたユンボがあるよって言う状況もあるのでそういう場合は躊躇なくトラックをレンタルして載せてもらって一気に搬出する。
めちゃ喜ばれる。
で番外の8、これはどういうことかと言うと、信頼できる造園屋さんなどにはもう捨てる木が出た時は持ってきてくださいと言っておく。
これ結構リスキーなんだよね。
どんなに条件を伝えていても、それは置いていかんでくれ〜ってのが混じってたりする。
でも仕方ないよね。
あまり文句は言わない。
タイミングの話
薪集めはタイミングが大事。
特に声を掛けるなどのきっかけのタイミングは最も大事。搬出できるタイミングも。
伐採木を処分したい側のスケジュールに合わせられるかが重要になる。
そのために大切なことはやはり薪場への距離だね。
片道1時間掛かる距離だとフットワーク軽く動けない。
となるとやはり近場で探すというのが大事になってくるね。
うちも以前は片道1時間以上かけてトラック借りて原木買いに行ったりしてた。
あとは、すぐに切ったり割ったりできなくても置いておける場所があるかどうかは重要。
このあたりの記事もご参照くださいませませ。
薪へのこだわりの話
これね。これが結構大事。
薪って所謂割られて扇形になった棒状のものを想像するし、その薪を薪棚に積みたいと思うよね。
それ自体は別に悪いことでは無いんだけど、そのこだわりが強すぎると薪集めにはビハインドになるんだよね。
何故か。割りやすい原木だけをくれる人はほとんどいないから。
というか今までも出会ったこと無いな。
枝はもちろんのこと、節や又などの薪にしにくい部分。繊維が入り組んで到底割れないような部分。
そういうものをきちんと処理して、薪として活用できるようになると一気に薪集めがやりやすくなる。
薪情報も入りやすくなる。
持っていっていいよと言われたものは全部持ち帰りたいし、置いていくねと言われたものは全部引き取りたい。
そうすると相手は「林田さんやりやすいからまた林田さんに声掛けよう」となる。
それの繰り返し。なんならその人の知り合いの人から声がかかったりする。
で、そういう声かけの中にとんでもない優良情報があったりする。
コロ薪をきちんと作って保管する。
薪棚に積む薪の長さに満たないもの(うちは40〜45cm)や、節や又の部分。これらはチェンソーで小さめに切ってかごを作って保管しておく。
うちは下にブロックを敷いてワイヤーメッシュを結束バンドで留めて簡易的なかごを作って溜めていってる。
ちなみにコロ薪、乾きやすいし火持ちが良い。
コロ薪を作るのには小さいチェンソーがあったほうが良いよ。
うちはチェンソー2台体制。うちのはハイガーさんのだけどトップハンドルの小さいやつはトラブル多くてお勧めできない。てことでゼノアさんのやつを紹介しておきます。
薪集め、自分の勝ちパターンを見つけることが大事
購入するでも良いと思う。
原木から集めて玉切りして割ってってほんとに大変。休みの尾日の時間も多く使う。
原木から手に入れる、玉切り状態で手に入れる、薪で買う、コストと手間を考えて自分の最も効率的な薪の集め方、勝ちパターンを見つけてみてください!
今日はそんな感じ。またね!
コメント