今からドラム缶に色を塗った結果、大怪我をした話をします。
発端
うちの近辺に最近カラスがたむろしている。我が家を含む集落の上空、電線等にたむろしているのだ。うちの周辺は畑や藪や小川などもありいわゆる田舎のそれなので、都会のカラスがたむろしている様子程は不快ではないのだが、それでも最近カラスが多いなと気になっていた。
そんな折だった。妻が言った。
「なんかカラスがさ、ゴミを漁っててなんか嫌。ネットしてても下からちょっと空いとったりするやん?そこからつつくんよね。ほんと嫌。」
なるほど。実害が出ていたか。妻が続けた。
「なんか対策したい。」
ほう。なるほど。よしなんか対策をしてやろう。
模索
いわゆるゴミ出しボックスだろと理解した。こういうやつ。

だが、気が進まかなった。家の前にこれが鎮座している様子を想像するとなかなかに憚られた。趣味や美意識は人それぞれだ。なのでこれが家の前に鎮座しているお宅もあって良いしそれを否定することは一切しない。ただ俺んちの前にこれがズドンとあぐらをかいている様子は受け入れることができなかった。
作るか。
作るかとも考えた。なんか適当に基礎作ってちっさい小屋みたいなの作るか。いやまてよ。家の前に俺が適当に作ったゴミ出し小屋を鎮座させていいのか?上のゴミ出しボックスよりも悪くないか?絶対悪い。どうする。しばらく考えていた。
一週間が過ぎた。ゴミ出しボックスのことを忘れてはいなかったが、正直あまり真剣に向き合ってはいなかった。答えを出せずにいたからだ。すると金曜の夜、ピザだか寿司だかをつまみながらビールを飲んでいたときのこと妻が言った。
「今週末にはあのカラスのゴミの件どうにかしたい」
だよな。俺が真剣に向き合わなかったこの1週間、ゴミ出しは2回あったはずだ。そのたびに妻はちょっと嫌な思いと、俺が真剣にこの問題に向き合っているのかという不信感を募らせたに違いない。悪いことをした。
「わかった。完全に解決するわ」
覚悟を決め、ピザをビールで一気に流し込んだ(チキンならなお良かった)
ドラム缶?ドラム缶か、あー、ドラム缶だわ!
土曜の朝になった。適当に庭仕事をしてゴミ出しボックス問題に取り組んだ。大きめの犬小屋を買ってくる案を思いついたときにはこれだ!と一瞬思ったが、よく考えると家の前に犬小屋があってそこに週二回ゴミが出されている様子をご近所が見ると、ふふふと笑うだろう。そもそもやっぱ家の前にでかい犬小屋を置くのどうなのと思いこの案も諦めた。
庭をうろうろしていた。捨てる前の灰を貯めておくドラム缶が目に入った。ビビビッときた。これだわ。ドラム缶だわ。いいじゃん。これならいいよ。家の前にあってもなんか、ね。どうだろ。なんだろなんかいいじゃん。ドラム缶だわ!こうしてゴミ出しボックスはドラム缶に大決定した。
今うちには近所の中国人だか台湾人だかがやってるスクラップヤードから買ってきたドラム缶が2つある。一つは捨てる前の灰を貯めておくやつ。もう一つは燃えないゴミを貯めておくやつ。どっちも必要っちゃ必要なのでゴミ出しボックスに転用するのは憚れる。うーん買うか。ドラム缶。
ドラム缶を買い増すことに決め例のスクラップヤードに電話をかけた。
「すんません、2年前くらいにおたくでドラム缶を買ったんですけどまだ在庫ありますかね?」
ヤードのひと「あー!あるよ!あー緑のドラム缶ね!あーるある!あ、ちょっとまってね、」
そのまま少し待った。
「あったよ!だけどね、あのね、あのー」
言いにくそうだ。何かあったのか。
「ちょっと値上がりしたの」
値上がり。まあご時世だよなと思った。前回は一つ2,000円で買ったと記憶している。蓋を開け締めできるタイプで、食品を1度輸送しただけのドラム缶なので状態も良かった。鉄も値上がりしているのか。あまり高かったら困るな。
「2,500円なの。良い?それでもいいかな?」
「あー全然大丈夫です。じゃ15分後くらいに行きますわ。よろしくお願いしまーす」
「良かった!はーい待ってまーす」
良かった。安いじゃん。
ドラム缶を買ってきた
ドラム缶を買ってきた。エブリイの荷台に楽勝で乗るので助かる。スクラップヤードでもちょっと面白い出来事があったのだけれど、まあそれはここではあんまり関係ないので書かないでおく。とりあえずドラム缶を買ってきた。状態も良さそうだ。
ただこのドラム缶、結構しっかりした緑だった。鮮やかなツンとした緑だった。なんだろう、なんていうのかな。ドラム缶自体が家の前にあることは別にもういいやって気持ちになってるんだけど、この緑の、緑のというかなんかグリーンのでかいやつが家の前にあるのはそれはそれでちょいなんか嫌だなと感じた。うーんそうだな。どうしよう。よし。塗るか。塗ろう。塗ってしまおう。
ローラー?刷毛?俺ならスプレーガン
さてドラム缶を塗ることにした。ペンキは以前エブリイを適当に塗ったちょっとシャビイでイカす、タカラ塗料さんのレインブーツネイビーが余ってる。こいつで塗ってやろう。

俺はいろんなDIYをするけど、その中でも塗装は結構嫌いなんですよね。塗ること自体は良いんだけど、準備と後片付けがほんとに好きじゃない。ペンキを塗る用のバケツに移して養生して、終わったら刷毛を洗うか捨てるかして(この捨てるってのがもったいなくて結構ストレス。けど洗うのもそれはそれでなんかしんどい)バケツも洗わないといけない。嫌だぜ!やりたくねえ!!あっ!!!そうだ!スプレーガンがるじゃないか!ガンで塗っちゃおう!スプレーガンあるやんけ!
うちにはエアコンプレッサーがあるので、スプレーガンで塗ることにした。


スプレーガンはアネスト岩田さんのちゃんとしたやつを買うべきだったんだけれどyoutube見てたらAmazonの安いやつでもそれなりに使える的な感じだったので、とりあえず安いやつをチョイスしていた。
さー塗るぞ。スプレーガンに塗料を入れてブッシャー!!!と塗り始めた。すごいwめっちゃ塗れるww早いw どんどん塗られていくドラム缶。イカすレインブーツネイビーへと姿を変えていく。そして垂れる塗料。別に良い。俺はプロじゃない。そしてこれはゴミ出しボックスとなるドラム缶。多少塗料が垂れたところで何なんだ。そんなことはどうでも良い。
ドラム缶は塗料の垂れ跡ができたものの、きれいに塗り上がった。タカラ塗料さんの塗料は多少垂れたりうまくいかなかったとしても乾いたらそれなりに仕上がるのでほんとにおすすめ。さてドラム缶は塗り上がったので後片づけだ。刷毛塗りローラー塗りほどの片付けは無いけれどガンをきれいに洗う程度の後片付けは必要だ。
流血
ガンから塗料を抜き、そこへシンナーを入れて何度か空吹したりして中をきれいにした。あーもうなんか今この記事を書いてるだけでも思い出して傷が痛くなってくる。あー書きたくねえ。ここで終わろっかな。まあそんなこんなでシンナーを入れて空吹して、その、ガンの蓋をさ、あー、ガンの蓋をそのウエスでギュッと、あー!もう思い出したくねえ!!!ギュッとしたらそのときにさ!その蓋の端がめちゃくちゃ鋭利でさ!!!あー!その蓋の端でざっくり!というかスッパリ指を切ってあー!しまいまして!!痛ってえ!!指を切ってしまったのです!あーあ。
そうすると信じられないくらい血が出てきて、まじかよこんなに、えっ!?痛え、えマジ押さえても止まらない、え、これどうす、痛え!!マジうそ、えん、痛え!!これどうする、あー、水?洗う?あ、んっ、痛ってええ!!!嘘でしょ!痛え!血止まらねえ!!!ちょっとキャロライン(妻)!!!キャロラインちょっと来て!!!まじかよ!すげえ痛え!!!!
指からめちゃくちゃに流れ落ちる血。慌てて飛んでくるキャロライン。
「あっ!すごい!まずちゃんと洗ってさ、流れる水で。ぎゅって押さえて血を止めて、絆創膏でぎゅっとしてさ!」
キャロライン、すごい、、愛してる。。
「マジ!それで止まる、あ、傷口を心臓より上に!?こうやってこう?」
「今いい!今はそういうのいいから!」
傷口をぎゅっと押さえ、絆創膏を二重にしてガチガチに巻き、その上から包帯とか止めるテープ?みたいなやつをガチガチに巻いた。
結果、しばらくすると血が止まった。むっちゃくちゃ痛かった。キャロラインありがとう。

何が言いたいの?
アネスト岩田のコンプレッサー、タカラ塗料さんの塗料は最高なので、ドラム缶を塗ってゴミ出しボックスに使いたいなと思った方はぜひチャレンジしてみてください。スプレーガンはできれば安いものではなくアネスト岩田さんのスプレーガンを使うようにしてください。
最後に
この怪我をした話をメリッサ(娘)にしたところ、
「え嘘、見たかった!見たかったよ〜ウエーン」といって泣き出した。この話も面白いので今度書きます
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